日本で販売されている投資信託の内、国外投資信託の多くがETFという株式市場に上場している投資信託を売買することで運用されています。実は多くのETFは現在日本で最も安い信託報酬である、SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドの信託報酬0.0938%/年程度より更に安い信託報酬で運用されています。ですので豊富な資金を持つ富裕層の中には直接投資をなさる方もいらっしゃいます。注意しなければならないのは、現地通貨で売買することになるので為替手数料が必要になること。更に利益にかかる税が、日本と現地両方でかかる場合もあります。投資を考える場合は充分注意なさることをお勧めします。
ここでは、総資産額米国トップ4のETFをご紹介します。米国トップということは世界トップであることは言うまでもありません。現在値は2020年7月22日終値、資産総額は6月末のものです。尚、2020年7月27日米ドル/円レートの平均付近である1米ドル105.70円で計算しています。
SPDR S&P500ETFトラスト(SPY)
現在値:320.8800
純資産総額
274,452.15百万米ドル(約29兆95億円)
設定日1993/01/22 経費率0.09%
米国大型株上位500社の株価を元にした指数であるS&P500に連動した成果を目指して運用されてます。S&P500に含まれる企業の時価総額を併せると全米時価総額の凡そ80%を占めています。分配金は年4回、直近分配金は1口当り約1.37米ドルです。分配利回りは1.77%です。設定来騰落率1,148.09%、27年間でなんと約11倍になりました。
組入れ上位銘柄
- マイクロソフト 6.02%
- アップル 5.79%
- アマゾン 4.50%
- フェイスブック(現メタ プラットフォームズ) 2.13%
- アルファベット クラス A 1.66%
iシェアーズS&P500ETF(IVV)
現在値:322.1300
純資産総額 194,759.76百万米ドル(約20兆5861億円)
設定日2000/05/15 経費率0.04%
米国大型株上位500社の株価を元にした指数であるS&P500に連動した成果を目指して運用されてます。S&P500に含まれる企業の時価総額を併せると全米時価総額の凡そ80%を占めています。分配金は年4回、直近分配金は1口当り約1.26米ドルです。分配利回りは1.94%です。設定来騰落率228.39%、20年間で約2.28倍になりました。
組入れ上位銘柄
- マイクロソフト 6.01%
- アップル 5.79%
- アマゾン 4.50%
- フェイスブック(現メタ プラットフォームズ) 2.13%
- アルファベット クラス A 1.66%
参考記事
バンガードS&P500ETF(VOO)
現在値294.8200
純資産総額147,733.92百万米ドル(約15兆6154億円)
設定日2010/09/07 経費率0.03%
米国大型株上位500社の株価を元にした指数であるS&P500に連動した成果を目指して運用されてます。S&P500に含まれる企業の時価総額を併せると全米時価総額の凡そ80%を占めています。分配金は年4回、直近分配金は1口当り約1.43米ドルです。分配利回りは1.79%です。設定来騰落率264.28%、10年間でなんと約2.6倍になりました。
組入れ上位銘柄
- マイクロソフト 5.53%
- アップル 5.26%
- アマゾン 4.03%
- フェイスブック(現メタ プラットフォームズ) 2.14%
- アルファベット クラス A 1.70%
バンガード トータルストックマーケットETF(VTI)
現在値:162.6900
純資産総額143,380.33百万米ドル(15兆1553億円)
設定日2001/05/24 経費率0.03%
バンガード・トータル・ストック・マーケットETFは、大型株から小型株まで全てを投資対象とし、CRSP USトータル・マーケット・インデックスに連動した投資成果を目指す。同インデックスは米国株式市場の投資可能銘柄のほぼ100%をカバーする。分配金は年4回、直近分配金は1口当り約0.70米ドルです。分配利回りは1.76%です。設定来騰落率296.72%、19年間でなんと約3倍になりました。
組入れ上位銘柄
- マイクロソフト 4.71%
- アップル 4.28%
- アマゾン 3.47%
- フェイスブック(現メタ プラットフォームズ) 1.82%
- アルファベット クラス A 1.46%
いかがでしょうか。世界トップ3がS&P500に投資しています。4番目のバンガード トータルストックマーケットETF(VTI)ですらも投資額の8割はS&P500に対してのものでしょう。このことは世界の投資資金の多くが、以前も現在も、そしてこれからもS&P500に集まることを意味します。それと共に長期投資の資金が集まりやすいETFであることから、株価を下支えする役割が有り、投資先としてS&P500に安定感があることがわかると思います。
今回ご紹介したETFはどれも総資産額10兆を超える規模です。このレベルのETFが破綻することは世界経済の破綻を意味します。逆を言えば、最も安心な投資先と言えるでしょう。それは、そのETFから投資信託を買っている日本の投資信託も同じです。仮に日本で数十億円以上を集めていたとしても、母親であるETFが小さい場合もあります。元の投資先を見ることで無期限と言えるのか、はたまた途中で切り上げ償還となりそうか、予想する材料にもなりますね。
もう一つ、ETFの経費率を見ることで今後自分が運用している投資信託の信託報酬に下がる余地があるのかどうかも判ります。母であるETF経費より子供となる投資信託の信託報酬が低い率となることはありえませんからね。
他にも、同じS&P500に連動する成果をめざしているのにも関わらず、保有している銘柄の占有率が各ETFによって微妙に違うのも見逃せませんね。
そのような目でETFの情報を見ていると投資に対する勘も養われると思いますよ。たまにで良いのでETFを覗いて見ることをお勧めします。
次回、投資信託を選ぶ上で要チェックのバンガード銘柄についてお話しします。
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